曲目選択の大切さ
ピアノの曲目選択のことで、色々と聞かれることも多いので、ちょっと考えてみました。
特に、オーディションを受ける時には、「どんな曲を弾くのか」によって、結果が左右されることもしばしばです。
「自由曲」であるからといって、どんな曲を選んでも良いわけではありません。
ある程度、聴き映えがしなければならないし、一方で、自分のレベルにあったものにしないとなりません。難しすぎる曲を選んだことによって、完成度が落ちれば、点数も必然的に低くなってしまいます。
ここで、ぐんま新人演奏会オーディションで、過去5年間のうち合格した方の選んだ曲目を振り返りましょう。
2010年 ショパン:アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ 作品22
2011年 ステンハンマル:ピアノソナタ第4番 第1楽章
スクリャービン:24の前奏曲作品11より、1.2.3.6.7.8.10.11.13.14番
ヒナステラ:アルゼンチン舞曲作品2
コダーイ:「7つの小品」作品11より2,3,4,6
2013年 リスト:スペイン狂詩曲
リスト:「巡礼の年 第1年 スイス」より”オーベルマンの谷”
シューマン:フモレスケ 作品20
シューベルト:「さすらい人幻想曲」D.760 第2.3.4楽章
2014年 ベートーヴェン:ピアノソナタ第21番「ワルトシュタイン」 第1楽章
シューマン:「謝肉祭」作品9 より 10曲
カール・ヴァイン:ピアノソナタ第1番 第1楽章
一見、皆それぞれ別の曲を選んでいるようにも思えますが、最近の傾向として、
1. 最近2年間では、リストとシューマンの作品を選択した人が合格者の半 数を占めている(合格者8人中計4人)
2. 合格者の8割以上の人がロマン派以降の作品を選択している
ということが言えそうです。
その他、ロマン派の作品が大半であるというほかにも、現代作曲家や普通の演奏会では聞いたことのない作曲家の名前もチラホラ出ています。西村朗やカール・ヴァインは現代の作曲家です。
ただ、全体としてみると、有名な曲を選択されている人は、少なくないということも分かります。
オーディションには、やはりロマン派、または20世紀以降の現代音楽の中から、自分にあったものを選ぶ方が良いという結論に落ち着きそうです。
2015年ぐんま新人演奏会オーディションの募集要項はこちら↓